お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
「……次から次へと本当にごめんなさい」
いくらなんでも変なことに巻き込みすぎだ。
「気にしないで」
「晴臣さん、優しすぎます」
未来がないとわかっていても期待してしまう。長くみても数週間後には無関係の相手だ。
「誰彼かまわずそうしてるとは思わないでほしいけどね」
果歩は特別だと言われた気がして、心臓がトクンと音を立てる。完全なる願望だ。一方的な恋心がそう勘違いさせるからたまらない。
玄関の外で待つと言う晴臣の言葉に甘え、当面の間必要なものを急いで準備する。キャリーバッグいっぱいに詰め込み、アパートの前にハザードランプをつけて停車していた彼の車に乗った。
「話の続きをしてもいい?」
車を発進させながら晴臣がチラッと助手席の方を見たため、果歩は頷いた。幸人の話にほかならない。