お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
「……なんか不愉快だな」
反射的に晴臣に顔を向けたら、なぜか不服そうに眉根を寄せて果歩を見ていた。
「えっ? あ、ごめんなさい」
どうして不快に思うのかわからないが咄嗟に謝る。そそくさと顔を天井の方に戻した。
(兄弟を褒められたらうれしいものじゃないのかな……)
それとも同じデザイナーとしてライバルみたいな存在なのか。
「ずっとイタリアを拠点にしてたんだけど。一年くらい前かな、日本に直営店を開店させるために帰ってきて幼馴染の女の子と結婚したばかり」
幼馴染の女の子……?
「もしかしてそれって」
果歩の頭の中にある人物が浮かんだ。