大好きな君へ
キッチンには朝からこの宿舎にいい匂いを漂わせている Sunny's 内の名シェフがいる。





「 あれ、香穂早いね?おはよう 」


『 理久くんも早い・・・おはよう・・・ 』





そう、理久くんだ。





幼い頃からお母さんのお手伝いを率先してやっていたらしく、料理の腕前はピカイチである。






「 俊太ももうすぐ降りてくる? 」


『 朝から最悪だよあの男。理久くん叱って! 』


「 俺はあのバカでかいアラームをどこで買ったのか知りたいよ 」






後ろから聞こえた冷静な声の持ち主は隼くん。







『 隼くんおはよう・・・ 』


「 ん、おはよう 」






隼くんはそう言ってぽん、と私の頭に手を乗せる。






朝必ずやってくれる隼くんのこの行動は、落ち着くから大好きだ。







「 わっ!理久くんブロッコリー入れないでって言ったじゃあん! 」






朝から元気なこの声の持ち主は奏くん。






女の私でも女を辞めたくなるほど可愛い彼。







「 香穂が好きなんだからいれるの 」


「 香穂ちゃん僕のブロッコリーあげるからね!たあんとお食べ! 」


「 こら。奏もちゃんと食べる 」


「 香穂ちゃんが好きな物はいっぱい食べてほしいんだもん〜!!理久くん鬼だ!」


「 奏の好き嫌いは許しません 」







理久くんと奏くんの微笑ましいこの会話は、ファンの子から親子喧嘩と呼ばれているらしい。







最初は理解できなかったけど、今ではほんとによく分かる。
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