溺愛執事のキスの雨



篠宮の身体から手を離し

ゆっくりと搭乗ゲートへと歩く


折角泣き止んだはずなのに、再び涙が溢れてくる


搭乗ゲートに入ろうとしたとき



「────恋!!」


背後から、呼び捨てであたしを呼ぶ篠宮の声が聞こえて振り返る

篠宮は、また涙を流していて

笑顔を浮かべながら


「愛してるよ──」


そう言った


篠宮の言葉にあたしも笑って



「・・・京、愛してるわ





またね」




そう言って


あたしはアメリカへと旅立った






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