溺愛執事のキスの雨



「──・・・綺麗ね」


薔薇園にはそんなことを言いながら、優しく赤薔薇に触れる1人の少女が立っていた


どんな人なのか、何も分からないまま


「───お嬢様」


そう、声をかけた

俺の声に気付いた恋様は、ゆっくりとこちらを振り向いて


「・・・あら、お茶かしら

ありがとう」


そう言って、小さく微笑んだ

初めて見た恋様の顔



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