溺愛執事のキスの雨
恋様はそう言って、薔薇園にある小さな椅子に腰掛けた
先程その近くのテーブルに置いた紅茶の注がれたカップを片手に、1口飲む
紅茶を飲む、たったそれだけの行為なのに、恋様がそれをするだけで、何か特別な行為に見えた
「篠宮、これから宜しくね」
小さく微笑んてそう言った恋様
捨てられたと自覚した日から
大嫌いだった"篠宮"という名前が
恋様に呼ばれるだけで特別に感じて
恋様に出会ったあの日から
俺はずっと恋様を愛している─────