ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
クー・シーがやって来た!
 さて、エリナがスカイヴェン国の王都で暮らし始めて月日が過ぎた。
 たったひとりでこの世界にやってきた子猫は、今では青弓亭の料理人として一人前に働いている。王都に住む人々の間でも、真面目で可愛らしいうえに腕の良い料理人である子猫のことはよく知られていて、皆、彼女のことを温かく見守っている。

 この世界に送られてきたエリナが到着したのが、なぜか王都警備隊の狼隊長ルディのベッドの中であった縁から、彼がエリナの後ろ盾となり保護者として面倒を見ている。
 警備隊員たちも青弓亭のお得意さんだったため、隊長の『子育て』にも協力的であったのだが……。

「……そろそろ俺も夜勤をしなければならない。今までは特別に免除してもらっていたんだが、夜の王都の見回りも隊長として欠かせない業務なのだ」

 朝の青弓亭で、尻尾を力なく落としたルディが言った。そんな警備隊長の姿を、青弓亭の朝の常連である隊員たちが温かい目で見守っている。

「隊長、子離れがんばってねー」

 犬のマイクがそっと呟き、熊のアルデルンと虎のキーガスも「気持ちはわかるが……」「あまりの過保護は……嫌われることも……」と小さく頷いて同意した。

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