ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
「ケチャップのレシピが広まるのはいいことだと思います。でも、この農園のケチャップはきっと特別に美味しいと思うし、買う人にもそれをわかって欲しいと思うし……なにより、作る側の励みにもなりますよね」

「そうですね。わたしたちは責任を持ってこのケチャップを作っていきたいと思うし、そのためにも他所のものとは違うということをはっきりさせて売りたいと思います」

 エリナの言葉に、ライナス夫妻は頷き合った。

「そうしたら、王宮の文官に届け出を出すといい。そういうことに詳しい身内がいるから、あとで手配しておこう」

「それは助かります! さすがは王都警備隊の方、顔が広いんですね」

「ん、まあな」

 その『身内』とは、言うまでもなくスカイヴェン国の宰相のことなのだが、それを知らないライナス夫妻は素直に喜んだ。

「心強いことです、わたしたちは作物を作るのは慣れているのですが、そのような手続きには詳しくなくて……良いアドバイスをいただけて助かります。ヴォラットさん、ありがとうございます」

「いや、こんなに美味しいトマトケチャップならば、ぜひとも末長く作ってもらいたいと思うからな。さて、俺にもひとつ作らせてもらおうか」

 クールな黒豹は、やっぱりクールに腕まくりをした。

 こうして、ライナス農園のケチャップは、国の保護のもとでスカイヴェン国の名産品となるのであった。
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