ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
 素敵な尻尾にくるまれて熟睡した上に、スカイヴェン国産の味わい深い材料で焼かれたクッキーを食べたおかげで、今朝もエリナは元気いっぱいの子猫だ。

 いつものようにルディに抱き上げられて、顔馴染みの人たちに「おはようございます!」と元気に挨拶をしながら青弓亭に向かう。
 そして、可愛らしい子猫の笑顔で朝から嬉しい気分になった人たちは、今日も王都の市場を盛り上げるのだ。

「おはようございます、ミメット姉さん」

「おはよう、ミメット」

 ふたりは既に厨房に立っているミメットに声をかけた。

「おはよう、ルディ隊長にエリナ。もう今朝のベーコンが届いているよ」

 青弓亭の朝の定番は、こんがりと焼いた厚切りベーコンなのだ。
 最初のうちはミメットが肉屋に買い出しに行っていたが、自分の店のベーコンが美味しく料理されて、王都を守る警備隊員に活力を与えていることを知ってからは、肉屋の主人が青弓亭のために特に質の良いベーコンを選んでわざわざ届けてくれるようになったのだ。

 肉屋の主人は「なんとまあ、まさか青弓亭が紋章つきになるとは思わなかったな! おかげでうちも、王家御用達の店にベーコンを卸しているってことで、良い評判を貰ってるよ」とにこにこ顔で帰っていった。どうやら肉屋の売り上げがかなり増えているようで、そのお礼も兼ねて、どうみても高級なベーコンをありがたいことに手頃な値段でわけてくれる。
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