ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
 ミメットは、そんな美味しいベーコンの脂身をさっと落とすと厚切りにした。
 火にかけて温めたフライパンで脂身の部分を入れると、じっくりと焼いて充分に油を染み出させる。フライパンに油が馴染んでいないと、せっかくのベーコンが焦げついてしまうことを彼女はよく知っているのだ。

 もしもエリナと出会わなかったら、ミメットは『炭製造機』のままだったであろう。しかし今は、エリナという師匠に教えられて、高級な厚切りベーコンをこの上なく美味しく焼ける料理人となった。
 というわけで、この厚切りベーコンを表面はかりっと中はジューシーに焼くのは、今ではミメットの仕事だ。

「さすがは姉さんです、今日も絶妙な焼き加減ですね」

「あはは、みんなエリナのおかげさ!」

 朝の定番は、熱々で優しい味のミルクスープ。そして、カリカリになったベーコンの脂身を刻んだものとチーズとレモン汁をかけた、トマトのサラダだ。
 付け合わせの皿を手早く用意したエリナは、ミメットに卵を渡した。
 以前はフライパンを真っ黒に焦げ付かせていた青弓亭の看板猫ミメットだったが、今では黄身がとろける目玉焼きも、ふんわりしたオムレツも、滑らかな仕上がりのスクランブルエッグもお手のものだ。

 ミメットが人数分の皿に手早くベーコンを取り付け、さっと目玉焼きを作り、あっという間に朝食の仕度が終わった。
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