ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
 さて、出来上がった朝食は、今か今かと待ち構えていた警備隊員の手でテーブルへと運ばれていく。青弓亭の美味しい朝ごはんを食べられる特別なメンバーは、ミメットがまだ『半分くらい炭で残りは生焼け』という恐ろしい料理しか作れない頃からの常連なのだ。

 狐のサファン、虎のキーガス、犬のマイク、熊のアルデルン。そして、警備隊長(実はスカイヴェン国の第一王子)であるルディの幼馴染みで、王家からお目付役として派遣されている黒豹のヴォラット。
 いずれも王都警備隊の精鋭で、見た目も良い獣人たちである。

 しかし、そんな彼らも、エリナの作る美味しい料理と毛並みをモフるゴールドフィンガーの前では、少し情けない可愛いモフモフちゃんとなってしまうのだった。

「うわあ、今日もいい匂いだね!」

 犬のマイクは嬉しそうに尻尾を振りながら、一番にテーブルについた。彼は青弓亭の元店長である山猫のギギリクと幼い頃から仲が良く、今もミメットのことをとても気にかけている親切な犬なのだ。
 たまに調子に乗って、ミメットから叱られてしまうこともあるけれど、まあそれもご愛敬である。

 皆がテーブルにつき、最後にエリナとミメットの分をルディがテーブルに運ぶと、厨房から2人の娘猫が出てきた。
 これから全員揃っての楽しい朝食の時間だ。
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