柳田くんと恋を知るまで
結果を渡すと柳田くんは終始微妙な顔をした
「ふーーーん」
さっきからそれのみ。
気まずさだけが勝つこの空間
最近先生といい、柳田くんといい微妙な顔されることが多いなあ、なんて。
そんなこと考えていたら隣のイケメンは大きなため息をついて
「やばいな」
そう一言私の顔に放った。
まあ、勿論そうくると思ってましたけど!
「とりあえずこの成績からだと数学勉強するのが1番良いかもな」
よくわからないけど話を勧められている。
そもそも承諾してないし。
したら更に留年の危機に晒されてしまうからしないけど。
「はい、学校のワーク出して」
淡々としている。
静かに笑うか、真顔かそれのみ。
今どきどの塾も家庭教師もそんな態度のやついないって。
もっと沢山愚痴が思い浮かんだが、柳田くんには時間を割いてもらっている。
私はとりあえず考えるのをやめ、2年になってから配られた真新しい数学のワークを出した。
すかさず柳田くんもワークを出すと気づいた、汚い。
「柳田くんって結構勉強してるタイプの人?」
「じゃないと首席なんて無理だって」
「天才肌かと…………」