柳田くんと恋を知るまで

結果を渡すと柳田くんは終始微妙な顔をした

「ふーーーん」


さっきからそれのみ。


気まずさだけが勝つこの空間
最近先生といい、柳田くんといい微妙な顔されることが多いなあ、なんて。


そんなこと考えていたら隣のイケメンは大きなため息をついて
「やばいな」
そう一言私の顔に放った。


まあ、勿論そうくると思ってましたけど!


「とりあえずこの成績からだと数学勉強するのが1番良いかもな」


よくわからないけど話を勧められている。
そもそも承諾してないし。

したら更に留年の危機に晒されてしまうからしないけど。


「はい、学校のワーク出して」

淡々としている。
静かに笑うか、真顔かそれのみ。


今どきどの塾も家庭教師もそんな態度のやついないって。

もっと沢山愚痴が思い浮かんだが、柳田くんには時間を割いてもらっている。
私はとりあえず考えるのをやめ、2年になってから配られた真新しい数学のワークを出した。


すかさず柳田くんもワークを出すと気づいた、汚い。

「柳田くんって結構勉強してるタイプの人?」


「じゃないと首席なんて無理だって」


「天才肌かと…………」





< 7 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop