【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
「でもやっぱダメかも」
「……なにか考えごと?」
本を閉じた蓮くんは短く溜め息をついて、考える素振りをしてみせる。
んーって感じで顎に手を添えている。
そして、ふと私を見つめること数秒……
「ベタ惚れ以外の表現が見つかんない」
「……はい?」
蓮くんって、ホントにどこまでも私の予想を超えてくることばかり言うんだから。
「歌鈴は知ってた? 俺がずっとお前にベタ惚れってこと」
「し、知らない……」
子供の時から「可愛いね」って言ってくれることはあったけど、好きだなんて言われたことはなかった。
……けど、蓮くんはふざけてる様子はなくて。
体制を変えることなくこっちに視線を送っている。