【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
あの男って……と、記憶を呼び覚ます。
「あ、もしかして……理人先輩のこと?」
心当たりがそれしかないし……。
「ふーん。もう名前で呼んでるんだ?」
「……それは、みんながそう呼んでて……」
そもそも、楽しそうに話してたつもりじゃないんだけどな……。
「どうすんの? そいつが歌鈴に手ぇ出そうとしてたら」
「……手出すなんてありえないと思う。接点だってないし、お互いのことも知らなくて。理人先輩みたいに有名な人が私なんて……」
至近距離で見つめられて、心臓が全力疾走したあとみたいに激しくなるから、私は必死に口を動かした。