【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります


蓮くんの家の隣に建つ大きな家には、お手伝いさんやシェフが何人もいて、小学校の頃は通学班で学校へ行くのもなかなか許されなかった。


でも私のママはいつも『歌鈴、あなたはみんなと同じよ。この先も謙虚な心を忘れずにね』そう教えてくれた。


だから、自分のことをすごいとかお嬢様だって思ったことはない。


「ほんとすごいよな。家の前で運転手が待ってんの、お嬢様って感じ」

「蓮くん……すごいのは私じゃなくて、パパなんだけど……」

「てか、若さんだっけ? 相変わらず一ミリの乱れもない髪型だよな」


蓮くんがコソッと私に耳打ちして笑った。


若さんとは、推定年齢20代後半で、私が12歳の時に見習として音無家へやってきた。

今じゃベテラン勢なんてメイドさんがふざけて話してたっけ。


子供の頃から変わらないまるで海苔でもはっつけたようなこの髪型……。

イケメンなのにもったいない……。

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