【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
「あれー? まだ緊張してる?」
「はい……そりゃ、もちろん……です」
「歌鈴ちゃんの家も似たようなもんじゃない?」
理人先輩はケラケラと楽しげに笑っているけど、私はそれどころじゃない。
「歌鈴ちゃん、ちょっと待って」
理人先輩が足を止めたのは、書斎のような立派な部屋の前だった。
「親父はまだ会社?」
中にいた執事の方に声をかけている。
「お戻りは夜が更けってからでございます」
「なんだー。残念」
戻ってきた理人先輩に再び手を引かれ、あたふたと私は尋ねてみる。