【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
ムッとした顔でふてぶてしさ全開の男の子。
それを見た途端、蘇るのは幼い頃の記憶で。
それはまだ小さい私と蓮くんが、何度目かのクリスマスパーティーに行った時のこと。
* * *
「見てみて! 蓮くん! 今年はお菓子のお家だよ!」
「すげぇ。去年はお城だったよな」
パティシエさんが作ってくれたお菓子の家に、私と蓮くんは釘付けだったのを覚えてる。
「歌鈴はどっから食べたい?」
「えっと、煙突から……んー、でもこんなに可愛いし……食べるのもったいないなぁ……」
「そう言うと思った」
蓮くんが小さく吹き出した。