【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
「こ、こっちに来いよ!」
「や……やだっ」
私はその男の子が苦手だった。
怖いし、目つきも悪くて口調も乱暴で。
だからいつも蓮くんの背中に隠れていた。
「歌鈴、大丈夫だよ」
蓮くんが泣き出しそうな私の手を繋いでくれる。
「俺の背中に隠れてて」
大丈夫、と蓮くんはニコリと微笑んだ。
それでも男の子は引き下がらなかった。
「……おい。今年は、お前にこれをやる」
「えっ?」
顔だけを覗かせてみると、男の子はグイグイ私に何かを差し出してきた。
「クリスマスだから……っ、特別にプレゼントしてやる!」
それはキラキラ輝く宝石のついた指輪だった。