【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
このチャンスを逃したら、もう明日の朝まで脱出出来ないかもしれない!
私が勢いよく立ち上がったとほぼ同時、
「──やっと見つけた」
どこか焦ったその声はいつもよりも低く、私の耳に届いた。
「え……蓮、くん?」
私は目を見張った。
ヴァンパイアの衣装に身を包んだ蓮くんが肩で息をしていて……、
「マジで心臓止まるって」
言いながら、ほんの少しも待てないとばかりに、ギュッと私を強引に抱き寄せた。
「……な、なんで……?」
驚きと、嬉しいのとで、上手く言葉にならなかった。