【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
「先生に鍵借りてきた。戻ったらお前どこにもいねぇから」
蓮くんは、はぁ……っと胸に溜めた息を吐き出した。
「……っ、」
どうしてここがわかったのかな……。
秋元先輩に聞いたのかな……。
聞きたいのに、声に出来ない。
「名村も心配してる」
そっか……。
きっと二乃ちゃんが蓮くんに知らせてくれたんだ。
蓮くんの腕に包まれて、温かくて。
安心したら、途端に涙腺が緩んでしまった。
「よかった、歌鈴が無事で。戻ろう?」
ふっ、と目尻を下げて微笑む蓮くんに、私は頷いてみせた。
今口を開けば、高校生にもなったっていうのに泣いてしまいそうだったから。