【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
「先輩、これ落としましたよね?」
「っ、」
「部室の前で見つけました」
横から蓮くんが手渡したのは、見当たらなかったはずの糸切りばさみだった。
「糸切りばさみ!!」
あれ……?
でも部室って。
私が行った時、糸切りばさみなんて落ちてなかったんだけどな……。
「あ、ありがと……。歌鈴ちゃんを探していた時に、落としたのかもしれないわ……」
ぎこちなく答える秋元先輩の瞳を、蓮くんはじっと見つめていたように思う。
「……よかったぁ、見つかって!きっとあちこち走り回ってたから、落としてしまったんですね」