【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
「本当は行かせたくないんだけど」
人混みを掻き分けて理人先輩の姿を探していると、蓮くんがポツリと呟いた。
「でも、このまま圭吾さんの顔に泥塗るわけにはいかないだろ」
その声はいつになく真剣で。
蓮くんの横顔から目が離せなくなる。
「あっ、いたいた。歌鈴ちゃんー」
陽気な声が私達の間に降ってくる。
つぐつぐタイミングが悪い日だと思った。
「めっちゃ探した。姿消すの得意なんて知らなかったよ。早速で悪いけど、親父もずっと待っててさ」
「すみません……っ、実は……」
言葉に詰まった私に助け舟を出してくれたのは蓮くんだった。