【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
「すまない。理想の話をしすぎたね。圭吾に知られたら締められるな」
豪快に笑った理人先輩のお父様を、真っ直ぐに見つめた。
……このままでいいわけがない。
心の中で、パパにごめんねって思いながら深く息を吸う。
さっきまで冷えていた手のひらは汗ばんで、肩に力が入る。
上手く伝えられなくても、怒られても構わない。
言わなきゃダメだから。
「──私には、好きな人がいます」
自分でもやけに冷静な声だったと思う。
「歌鈴ちゃん……?」