【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
嘘でしょ、とおろおろする私を見透かしたように見ている。
「どうすんの? それじゃ結婚して俺が仕事行ったあととか、悪質なセールス詐欺に騙されるんじゃない?」
「そ……そんなのに騙されないよっ。家のことは私に任せてって……言えるようになるもん!」
元レスリング部部長のママみたいに身も心も強くはないけど、そうなりたいんだ。
ちょっとだけ悔しくて、蓮くんに負けじと胸を張ってみせる。
「……可愛すぎかよ」
あー、しんど……って、おでこに手を当ててるし……。
「私は本気だよ……っ?」
「はいはい。てか、会社行きたくなくなるよね」
「……?」
「どうせわかってないからいいよ」
「っ、」
満足そうに微笑むと、チュッと私のおでこにキスをした。
まだ想像もつかないずっと未来の話だけれど、幸せな気持ちに包まれた夜だった。