【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
「少しは疑うでしょう? なのに、トラブルがあったからってすんなり謝ってきちゃうし。どこまでいい子でいたいわけ?」
虫唾が走るってこういうことね、と嘲笑した。
振り下ろされた刃のようなその言葉は、深く私の胸を貫いた。
私が知る秋元先輩の姿はそこにはなく、ただひたすら、悲しかった……。
「もう返して」
私が胸の前で抱えていたお裁縫道具を奪い取ると、蓮くんを一瞥した。
「青葉くんも、幼なじみの前でヒーロー気取り出来てよかったじゃない」
去り際にうんざりした口調で言い放つと、すばやく身をひるがえした。
──けれど。
蓮くんがそれを黙って見逃すはずがなかった。