【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
パパの顔に、不安の色は少しもなかった。
「……海外に連れて行くのは、冬休みだけにしようか、ママ」
「……パパ!?じゃ、じゃあ……っ、」
私は飛びつく勢いで身を乗り出した。
「……っ、パパは別に、まだ認めたわけじゃないんだからね!?」
唇を尖らせていじけたように肩を縮めている。
「パパ、往生際が悪いわよ。歌鈴を溺愛してるのはわかるけど、それ以上はやめなさい。老害なんて言われたら悲しいでしょ? ね?」
ママがパパを諭しながら、
「そうだ歌鈴。花嫁修業の話もじっくり聞きたいし、あのノートを持ってきてちょうだい」
パチッとウィンクして私へ合図する。
ママ、ありがとう……。
私と蓮くんは顔を見合わせて笑い合うと、玄関へと向かって歩き出した。