【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
家柄や学歴を気にする人間もいるって、パパが言っていたから。
「俺が非難や罵倒に負けると思ってんの?」
私の言いたいことを汲み取ってくれた蓮くんは、
「俺は両親のもとに生まれて後悔なんかしてないし、恥じたこともない。むしろ感謝しかないよ」
穏やかな口調で言いながら宙を仰いだ。
その瞳は煌めいていた。
幼い時の思い出が走馬灯のように駆け巡る。
ずっと一緒に過ごしてきた蓮くんはもう、こんなに立派で……。
「それに俺にとっても好都合。家の名前も、親の七光りも、そんなもん俺には初めからない」
私は蓮くんから目を逸らさずに耳を傾ける。