【完】花嫁修業のため、幼なじみと極甘♡同居が始まります
「じゃああとひとつだけ聞いてくれる?」
ゆっくりと私の前で腰をおろした。
「蓮くん……?」
すとんと膝をついて、そっと私の手を握る。
「もっと俺に頑張らせて?」
私を見上げる瞳は、温かさで溢れていて……
「辛いことや苦しいことは絶対あるって思ってるよ。でも、家に帰れば歌鈴がいるだろ?」
私は「うん」と返事をしながら、蓮くんの手を握り返した。
「そんな幸せなこと他にあると思う?」
ふっと柔らかく目尻を下げて淡く微笑んだ蓮くんに、やっぱりまた涙が零れてきた。