Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
それほど人が信用できないということか。
子供のころの宗太さんは、年下のわたしが驚くほど人を疑うことを知らない子だったのに。
それにこんな計略を立てたところで、わたしが彼を好きにならないことだってありえた。
無駄になるとは思わなかったのだろうか。
「でも、わたしが宗太さんを好きになるとは限らない……ですよね」
「それでも構わないと思ってたよ。それにぼくだって、実際に会ってみないと今のエリカを好きになるかどうか、わからなかったし」
彼は、結果的に恋愛関係にならないとしても、わたしを磨きあげて、それが今後の仕事につながるなら、それでいいと思っていたと言った。
「あの映画を観たとき、ものすごく歯がゆかったんだよ。エリカは、あのヒロインなんかより、よっぽど綺麗で演技だってうまいのに、なんであんな役に甘んじてるのかと思って」
わたしは顔を上げて、芹澤さんを見つめた。
「じゃあ、わたしは宗太さんの〝計略〟にきれいにハマったわけですね」
「そういうことになるね」
でも、と宗太さんはさらに握った手にさらに力を込めて、わたしの目を見つめた。
子供のころの宗太さんは、年下のわたしが驚くほど人を疑うことを知らない子だったのに。
それにこんな計略を立てたところで、わたしが彼を好きにならないことだってありえた。
無駄になるとは思わなかったのだろうか。
「でも、わたしが宗太さんを好きになるとは限らない……ですよね」
「それでも構わないと思ってたよ。それにぼくだって、実際に会ってみないと今のエリカを好きになるかどうか、わからなかったし」
彼は、結果的に恋愛関係にならないとしても、わたしを磨きあげて、それが今後の仕事につながるなら、それでいいと思っていたと言った。
「あの映画を観たとき、ものすごく歯がゆかったんだよ。エリカは、あのヒロインなんかより、よっぽど綺麗で演技だってうまいのに、なんであんな役に甘んじてるのかと思って」
わたしは顔を上げて、芹澤さんを見つめた。
「じゃあ、わたしは宗太さんの〝計略〟にきれいにハマったわけですね」
「そういうことになるね」
でも、と宗太さんはさらに握った手にさらに力を込めて、わたしの目を見つめた。