Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
「お父様はその後、お変わりございませんか」
「ええ。あの日は問題なかったけれど。昨日、また軽い発作を起こしたものだから、今は入院しているわ」
「えっ、それはご心配ですね」
宗太さんは大丈夫だよ、と明るく言った。
「昨日見舞いに行ったけど、元気そうだった」
「まあ、念のための入院だから。でも、何と言っても高齢なので大事を取ったほうがいいとお医者様に言われたのよ」
お母さんは懐かしそうにわたしを見た。
「それにしても、壱子ちゃん、綺麗なお嬢さんになったわね。子供のころもお人形さんみたいに可愛かったけれど」
「すみません。わたしは宗太さんのお母さんのこと、あまり覚えていなくて……」
「あなたはまだ小学生だったものね。でも、なんと言っても、宗太の初恋のお相手ですからね。わたしはよーく覚えているわよ」
宗太さんのお母さんはにっこり笑った。
ああ、この日だまりのように温かい笑顔。
宗太さんにそっくり。
「ごきげんよう、エリカさん」
篠崎先生が声をかけてきた。
神谷先生も手にしていた湯呑を茶托に置き、会釈した。
「ええ。あの日は問題なかったけれど。昨日、また軽い発作を起こしたものだから、今は入院しているわ」
「えっ、それはご心配ですね」
宗太さんは大丈夫だよ、と明るく言った。
「昨日見舞いに行ったけど、元気そうだった」
「まあ、念のための入院だから。でも、何と言っても高齢なので大事を取ったほうがいいとお医者様に言われたのよ」
お母さんは懐かしそうにわたしを見た。
「それにしても、壱子ちゃん、綺麗なお嬢さんになったわね。子供のころもお人形さんみたいに可愛かったけれど」
「すみません。わたしは宗太さんのお母さんのこと、あまり覚えていなくて……」
「あなたはまだ小学生だったものね。でも、なんと言っても、宗太の初恋のお相手ですからね。わたしはよーく覚えているわよ」
宗太さんのお母さんはにっこり笑った。
ああ、この日だまりのように温かい笑顔。
宗太さんにそっくり。
「ごきげんよう、エリカさん」
篠崎先生が声をかけてきた。
神谷先生も手にしていた湯呑を茶托に置き、会釈した。