Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
第2章 麗しき副社長
 芹澤さんは、わたしに歩み寄り、自信に満ちた笑みを浮かべた。

 わー、こうして直接会うと、あの写真の何万倍もカッコいい。

 緩めのパーマがかかった黒髪。
 くっきりした眉に、まるでロットリングで引いた線のように完璧なラインの二重まぶた。
 黒目がちの大きな瞳。
 顎の線が細く、すっきりした顔立ち。
 けれど、下唇だけ少しふっくらとしているところがアンバランスで魅力的だ。
 そして、光沢の美しい生地を使った、仕立のよい濃紺のシングル・スーツを見事に着こなしている。

 それに、弱冠27歳で、会社の副社長という重責を担っているだけあって、成功者オーラも半端ない。
 もう、まぶしすぎて、目が潰れそう。

 実際に会った印象は、雑誌の印象とは比べものにならなかった。

 いやいや、申し訳なかったです、とわたしは心のなかで謝った。
 興味がわかないとか偉そうなこと、思って。

 謹んで、前言撤回させていただきます。

 タイプとかタイプじゃないとか、そんな次元はとっくに超えている。

 彼は、イケメン界の頂点に君臨すると言ってもけっして過言ではない、神がかった美貌の持ち主だった。
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