Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
 宗太さんが用意してくれたホテルの1室でドレスに着替え、時間になるのを待った。

 ドアチャイムが鳴って、彼が部屋に入ってきた。

「いよいよだな」
「ええ」

 黒のタキシード姿の宗太さん。
 いまさらながら〝素敵オーラ〟が大渋滞で目がくらむ。
 どんなスタイルでも着こなす宗太さんだけれど、正装は格別だった。
 何ランクもイケメン度がアップしてる。
 
「支度はできた?」
「はい」

「エリカは本当に赤が似合う。普段の何倍も綺麗だ」
 宗太さんはわたしの肩をそっと撫でた。
 そして、首元を飾っているガーネットと真珠のチョーカーに触れた。

「実はガーネットにはもうひとつ意味があってね」
「どんな意味ですか?」
「〝恋愛成就〟だよ」

 宗太さんは目を細めてわたしを見つめた。
「いいかげんなセールストークかと思ってたけど、正しかったんだな、上海の骨董屋の女主人の話」
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