Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
「宗太っ」
芹澤氏の剣幕に会場がどよめいた。
宗太さんはこれ以上騒ぎが大きくなってはまずいと判断したようで、「エリカを頼む」とささやき、湊さんにわたしを託した。
どさくさに紛れて、湊さんに手を引かれ、わたしは会場を後にした。
「大丈夫かしら。宗太さん」
「政喜氏から不服が出ることは、はじめから想定していましたから。ただ演壇にまで上がってくるとは思っていなかったですが」
「政喜、おやめなさい。みっともないわ。お客様の前で……」
会場に出る直前、宗太さんのお母さんが止めに入っている姿がちらりと見えた。
そして……
「あれ、エリカさんだよね」
小さな声だったけれど、確かにそう聞こえた。
思わず振りかえったけれど、それらしき人はいなかった。
空耳か、そう思って会場を後にした。
芹澤氏の剣幕に会場がどよめいた。
宗太さんはこれ以上騒ぎが大きくなってはまずいと判断したようで、「エリカを頼む」とささやき、湊さんにわたしを託した。
どさくさに紛れて、湊さんに手を引かれ、わたしは会場を後にした。
「大丈夫かしら。宗太さん」
「政喜氏から不服が出ることは、はじめから想定していましたから。ただ演壇にまで上がってくるとは思っていなかったですが」
「政喜、おやめなさい。みっともないわ。お客様の前で……」
会場に出る直前、宗太さんのお母さんが止めに入っている姿がちらりと見えた。
そして……
「あれ、エリカさんだよね」
小さな声だったけれど、確かにそう聞こえた。
思わず振りかえったけれど、それらしき人はいなかった。
空耳か、そう思って会場を後にした。