Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
 ホテルの部屋に戻ったとたん、気が抜けてへなへなと坐り込んだ。

 あんな騒ぎになるなんて。
 宗太さん、本当に大丈夫かな……

 じりじりしながら待つこと、それから2時間あまり。
 ノックの音とともに、宗太さんが入ってきた。

「待たせたね」
「大丈夫でしたか?」
「ああ、叔父はかんかんだったけどな」

 宗太さんは腰をかがめて、わたしに軽く口づけた。

「ぼくと娘を結婚させようとしていた政治家も来ていたからね。どういうことだ、話が違うと、相当お冠だったそうだ。叔父としては面目丸潰れだから、そりゃ怒るよな」

 まるで他人事のよう。
「ものすごい剣幕でしたものね」

「でも、これで良かったんだ。その政治家が問題を起こす前に縁が切れたから。でも……」
< 131 / 153 >

この作品をシェア

pagetop