Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
第8章 覚めてしまった夢
宗太さんのお母さんの家には、すでに叔父さんご夫妻がいらしていた。
「壱子ちゃん、そこに坐ってちょうだい」
心なしか、お母さんの表情が固い。
向かいに坐っていた叔父の政喜さんは、しかめ面のまま、こう言い放った。
「宗太と別れてくれ」
「政喜、まだ結論は出ていないでしょう」
「話す余地はないと、さっきから何度も言ってるだろう。だいたい姉さんが宗太を甘やかすから、こんなばかげた事態になったんだろうが」
彼はテーブルに置いてあったA4サイズの封筒を、わたしに抛《ほう》った。
見覚えのある雑誌が入っていた。
何が掲載されているのか、見るまでもなかった。
「この間のパーティーに、あんたの事務所の若い子が紛れこんでいてね。あんた、来栖エリカとかいう三流タレントなんだってな。その子たちがいろいろ教えてくれたんで、調べる手間が省けたよ」
ああ、リサと絢奈だったんだ。
あのときの声の主は。
「壱子ちゃん、そこに坐ってちょうだい」
心なしか、お母さんの表情が固い。
向かいに坐っていた叔父の政喜さんは、しかめ面のまま、こう言い放った。
「宗太と別れてくれ」
「政喜、まだ結論は出ていないでしょう」
「話す余地はないと、さっきから何度も言ってるだろう。だいたい姉さんが宗太を甘やかすから、こんなばかげた事態になったんだろうが」
彼はテーブルに置いてあったA4サイズの封筒を、わたしに抛《ほう》った。
見覚えのある雑誌が入っていた。
何が掲載されているのか、見るまでもなかった。
「この間のパーティーに、あんたの事務所の若い子が紛れこんでいてね。あんた、来栖エリカとかいう三流タレントなんだってな。その子たちがいろいろ教えてくれたんで、調べる手間が省けたよ」
ああ、リサと絢奈だったんだ。
あのときの声の主は。