Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
3年前に1度だけ、わたしのヌード写真が週刊誌に掲載された。
モデルをする予定のグラドルがインフルエンザに罹り、酒井さんに頼みこまれて急遽、代役として引き受けた仕事だった。
絡みこそなかったが、それを思わせるような、かなり際どいポーズはとっていた。
「壱子ちゃん、何かお話ししたいことはある?」
さりげなく雑誌を閉じながら、お母さんがわたしに問いかけた。
「いえ、間違いなくわたしの写真ですから。弁解することは何もありません」
そう答えたわたしを見て、彼女は困ったように眉を寄せた。
「汚らわしい、こんな人が芹澤を名乗れると思っていたのかしら」
叔母さんが吐き捨てるように言った。
「とにかく、明後日、宗太が帰ってきてから、改めて話し合いましょう」
この期に及んでも、お母さんは冷静にこの場を収めようとしてくれている。
それだけでも、とてもありがたかった。
「無駄だと思うけどな。こんな女、親父が許すわけがないだろう。芹澤の嫁なら、それなりの家柄の出でなければ」
「本当。世間知らずの宗太さんをうまくたぶらかしたと思っただろうけれど、世の中、そう甘くはありませんよ。財産目当てでしょう、どうせ」
それは違う、と反論が喉元まで出かかったけれど、こらえた。
火に油を注ぐだけだろう。
何を言っても通じる相手だとは思えない。
モデルをする予定のグラドルがインフルエンザに罹り、酒井さんに頼みこまれて急遽、代役として引き受けた仕事だった。
絡みこそなかったが、それを思わせるような、かなり際どいポーズはとっていた。
「壱子ちゃん、何かお話ししたいことはある?」
さりげなく雑誌を閉じながら、お母さんがわたしに問いかけた。
「いえ、間違いなくわたしの写真ですから。弁解することは何もありません」
そう答えたわたしを見て、彼女は困ったように眉を寄せた。
「汚らわしい、こんな人が芹澤を名乗れると思っていたのかしら」
叔母さんが吐き捨てるように言った。
「とにかく、明後日、宗太が帰ってきてから、改めて話し合いましょう」
この期に及んでも、お母さんは冷静にこの場を収めようとしてくれている。
それだけでも、とてもありがたかった。
「無駄だと思うけどな。こんな女、親父が許すわけがないだろう。芹澤の嫁なら、それなりの家柄の出でなければ」
「本当。世間知らずの宗太さんをうまくたぶらかしたと思っただろうけれど、世の中、そう甘くはありませんよ。財産目当てでしょう、どうせ」
それは違う、と反論が喉元まで出かかったけれど、こらえた。
火に油を注ぐだけだろう。
何を言っても通じる相手だとは思えない。