Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
 ありがたいことに、3カ月近くも休んだのに、バイトはクビになっていなかった。

 店長は「おかえり」と、ごく当たり前に受け入れてくれた。

「うちはエリちゃん目当てのお客でもってるって、よくわかったよ。常連客たちがエリちゃんいつ帰るのって、うるさいのなんの」

 店長が連絡し、その夜は常連さんが集まってわたしの復帰を祝ってくれた。

 自分を待っていてくれる人たちがいて、素直に嬉しかった。

 やっぱり、ここがわたしの居場所だ。
 そう思えた。

 でも、家に帰ってひとりになるとだめだった。

 ガーネットのチョーカーを目にしたとたん、唐突に涙があふれてきた。

 ただただ悲しくて、ベッドに潜りこむことしか出来なかった、
< 141 / 153 >

この作品をシェア

pagetop