Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
 酒井さんの期待の眼差しに負けてしまった。
 でも、おそろしく過酷な仕事って訳じゃないし。
 『無人島でサバイバル』とか、『月1000円のみで生き延びろ!』とかじゃなく、『世にも稀なるイケメンと過ごすラグジュアリーな2カ月』だ。

 車のなかで、彼が最後に見せた笑顔を思いだす。

 あの、イケメン界の生けるレジェンドみたいな人とルームシェア。

 普通は望んだってできることじゃない。
 ちょっと顔がにやけてくる。

 ただ、どうしてもつきまとう不安は、たった2カ月で、わたしがそんな大変身を遂げられるかということ。

 でも、先方がわたしでいいと言っているんだから、うまくいかなかったとしても、それはわたしの責任じゃないよね。

 期待に添えなかったときは、その占い師に文句を言ってもらおう。

 うん。そうだ。
 そう思えばいいんだ。
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