Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
「ほら、こっちに来てごらん」
 芹澤さんが先に立って歩いていったのは、ベッドルームに直結しているウォーク・イン・クローゼット。

 うわー、これ、クローゼット⁉︎
 広っ!
 立派に部屋だよ。この広さなら。

 ただ、どういう訳か、すでに衣服が収納されている。

 これって、元カノの置き土産?

 そりゃあ、こっちは彼女でもなんでもないし、雇われている身なので文句は言えないけど、ちょっと無神経じゃない、これって。

 ところが……
「事務所からもらったデータに合わせたから、サイズは問題ないと思うけど、もし合わないようなら、遠慮なく言って」

「えっ、もしかして……」

「きみ用に揃えさせたものだよ。趣味に合わないかもしれないけど、それは我慢してもらえるかな。店の人に写真を見せてイメージに合うものを選んでもらってはあるけどね」

 ひえー! わたし用なの? これ、全部!
 わたしが驚いてあわあわしているうちに芹澤さんはもう次の部屋に向かっていた。
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