Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
 そのあと、芹澤さんの書斎と寝室以外の部屋はすべて案内してもらった。

「さてと、ぼくはこれから出社しなければならないんだ。今日はとにかく、ゆっくりくつろいでいてくれればいいから」

 それと、と言って、芹澤さんはタブレットと時計型の端末を渡してくれた。

「このアプリから、ベリーヒルズのすべての店舗に直接注文できるようになっている。コーヒー1杯から配達してくれるよ。それと、この端末は必ず身に着けておいて。レジデンスへの出入りに必要になるから」

「はい、わかりました」

「遅くなるだろうから、ぼくを待たなくていいよ。先に休んでくれればいい」

「はい。ありがとうございます。では、いってらっしゃいませ」

 芹澤さんは苦笑いを浮かべた。
「『ませ』はいらない。きみは使用人って訳じゃないんだからね」
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