転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
ステータスを上げなければならないからお祈りしている暇はないと、レミリアを教会に行かせずに特訓してしまったのだ。
(ああ……。園遊会での発生条件を満たさなくてもチャンスはあったのに、私の馬鹿……)
「ダグラスエンディングが消えたのは、私のせいだった。レミリア様に申し訳ない……」
エマが落ち込んだら、由奈が≪ドンマイ≫と明るく笑った。
≪もうひとり、ターゲットはいるじゃない≫
「わかってる。でもね……」
幹の陰から顔を出したエマは、数メートル先で水やりしている庭師を見た。
モリンズ家の庭師は五十代の男性、コネリさん。
彼には八歳のボビーという名の孫がいて、手伝うと言っては頻繁にこの庭に出入りしている。
ボビーは今朝も来ているようで、空のじょうろを手に、「おじいちゃん、あっちの水やり終わったよ」と駆けてきた。
「ボビー、その手の花はなんだ。また勝手に摘みおって」
「花壇のじゃないよ。あそこの草むらで咲いてた。どうせ刈られてしまう花だからいいでしょ。ピンクの花はシンシア様がお好きなんだ。僕、差し上げてくるね!」
「こら、勝手にお屋敷内に入ってはいかん!」
(ああ……。園遊会での発生条件を満たさなくてもチャンスはあったのに、私の馬鹿……)
「ダグラスエンディングが消えたのは、私のせいだった。レミリア様に申し訳ない……」
エマが落ち込んだら、由奈が≪ドンマイ≫と明るく笑った。
≪もうひとり、ターゲットはいるじゃない≫
「わかってる。でもね……」
幹の陰から顔を出したエマは、数メートル先で水やりしている庭師を見た。
モリンズ家の庭師は五十代の男性、コネリさん。
彼には八歳のボビーという名の孫がいて、手伝うと言っては頻繁にこの庭に出入りしている。
ボビーは今朝も来ているようで、空のじょうろを手に、「おじいちゃん、あっちの水やり終わったよ」と駆けてきた。
「ボビー、その手の花はなんだ。また勝手に摘みおって」
「花壇のじゃないよ。あそこの草むらで咲いてた。どうせ刈られてしまう花だからいいでしょ。ピンクの花はシンシア様がお好きなんだ。僕、差し上げてくるね!」
「こら、勝手にお屋敷内に入ってはいかん!」