転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
「あの、ダグラス様、そのくらいで……あっ、すみません!」
オフ会仲間と話す時、キャラの名前を呼び捨てるのは普通のことである。
けれどもリアルの世界でそれは失礼だ。
敬称はつけたものの、マディソン竜騎士団長と呼ぶべきところをファーストネームで呼んでしまい、エマは慌てた。
しかしながらダグラスは気を悪くすることなく、むしろ嬉しそうに許してくれる。
「それでいいですよ。あなたは私の部下ではないので。では私ももう少し砕けて、エマさんと呼びましょう。いいですか?」
「はい。もちろんです」
微笑み合い、和やかなムードに浸るふたりであったが、「ところで」とダグラスが話題を変えた。
視線を辺りに配り、急に顔付きを厳しくする。
「警備の者はいるな。なぜだ……?」
バラ園を遠巻きに囲うように、ところどころに警備の騎士が立っている。
ダグラスがなにを問題視したのかというと、エマが覗き見をしていることに、誰も注意しなかったことについてだろう。
控室からここまで隠れながら来たとはいえ、王城の使用人とも数人すれ違った。
オフ会仲間と話す時、キャラの名前を呼び捨てるのは普通のことである。
けれどもリアルの世界でそれは失礼だ。
敬称はつけたものの、マディソン竜騎士団長と呼ぶべきところをファーストネームで呼んでしまい、エマは慌てた。
しかしながらダグラスは気を悪くすることなく、むしろ嬉しそうに許してくれる。
「それでいいですよ。あなたは私の部下ではないので。では私ももう少し砕けて、エマさんと呼びましょう。いいですか?」
「はい。もちろんです」
微笑み合い、和やかなムードに浸るふたりであったが、「ところで」とダグラスが話題を変えた。
視線を辺りに配り、急に顔付きを厳しくする。
「警備の者はいるな。なぜだ……?」
バラ園を遠巻きに囲うように、ところどころに警備の騎士が立っている。
ダグラスがなにを問題視したのかというと、エマが覗き見をしていることに、誰も注意しなかったことについてだろう。
控室からここまで隠れながら来たとはいえ、王城の使用人とも数人すれ違った。