転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
「まだ結婚を意識しなくてもいいと思うわ。どういう人かを知ることから始めましょう。そのためにはこのご招待をお受けしないと。レミリアちゃん、私と一緒なら困ることはないわよ。ね?」

反論の言葉を失ったレミリアは、無言になる。

依然として困り顔ではあるが、封筒を開けて中の手紙を読んでいる。

「強引な感じのする方だったけど、字は繊細で綺麗ね。少し哀愁も感じるわ。月を映す湖面のような印象の文面ね。日にちは八日後。あら? よろしければエマさんもご一緒にと書いてあるわよ」

「私もですか?」

これにはエマは驚いた。

末端中の末端貴族であるサノーマン家の娘なので、これまでどんな招待もされたことはない。

エマを招待することに一体どんな得があるのかと不思議に思ったが、レミリアを恋に落とす協力をしてほしいということではないかと解釈した。

それで笑顔を作り、ひと芝居打つ。

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