転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
「晩餐会なんて初めてで、ワクワクします! なにを着ていったらよいのでしょう? レミリア様、絶対に行きましょうね。それはレミリア様宛の招待状なので、レミリア様が不参加でしたら、私も自動的に欠席となります。私は晩餐会に参加してみたいです!」

声を弾ませ、大げさなほどに張り切ってみせた。

するとレミリアが仕方ないと言いたげに嘆息する。

「わかったわ。エマのために私も行きます」

「レミリア様、ありがとうございます!」

心でしめしめと思いつつも、エマはレミリアの手を取り握りしめた。

するとレミリアの頬が桃色に染まる。

「お礼は不要よ。エマにはいつもお世話になっているから、感謝しなければならないのは私の方だもの」

「レミリア様……」

エマの胸が歓喜に震え、鼻の奥がツンとした。

普段のレミリアに可愛げがない分、たまの感謝の言葉がことさらにしみる。

少し照れくさそうにしているその表情も、エマの侍女心をくすぐり、ハートの矢尻で射抜かれた気分だ。

(なんてお可愛らしい……。もう、食べちゃいたいくらい。もしかしてついに、ひねくれ脱却?)

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