転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
モリンズ家でも牛フィレ肉の香草焼きは、たまにテーブルに出されるが、その家により使うハーブが異なるので味わいも違う。
「レミリアちゃん、美味しいわね。なんのハーブを使っているのか当てっこしましょう」と無邪気に話しかけたシンシアに、レミリアがさほど興味のない顔をして付き合ってあげている。
十六歳らしい可愛らしさは大切にしてほしいとエマは思う。
けれども、今はバルニエ伯爵と大人の会話を膨らませてくれないと困ってしまう。
できればレミリアから声をかけてほしかったと思いつつも、仕方なくエマが口を開いた。
「バルニエ伯爵様はバラがお好きなのですか? お屋敷全体にバラが散りばめられていますね。このカトラリーの彫刻も素敵です。レミリア様もバラがお好きで、趣味がピタリと合っていると思います」
急に名前を出されて、レミリアがエマの方を見た。
「え?」と目を瞬かせた令嬢に、エマは目力を最大限に強めて話を合わせろと無言で訴える。
「レミリア様はバラがお好きですよね?」
「え、ええ……」
「このカトラリーも、テーブルクロスも壁紙も、ものすっごく素敵だと思いますよね?」
「そ、そうね……」
「レミリアちゃん、美味しいわね。なんのハーブを使っているのか当てっこしましょう」と無邪気に話しかけたシンシアに、レミリアがさほど興味のない顔をして付き合ってあげている。
十六歳らしい可愛らしさは大切にしてほしいとエマは思う。
けれども、今はバルニエ伯爵と大人の会話を膨らませてくれないと困ってしまう。
できればレミリアから声をかけてほしかったと思いつつも、仕方なくエマが口を開いた。
「バルニエ伯爵様はバラがお好きなのですか? お屋敷全体にバラが散りばめられていますね。このカトラリーの彫刻も素敵です。レミリア様もバラがお好きで、趣味がピタリと合っていると思います」
急に名前を出されて、レミリアがエマの方を見た。
「え?」と目を瞬かせた令嬢に、エマは目力を最大限に強めて話を合わせろと無言で訴える。
「レミリア様はバラがお好きですよね?」
「え、ええ……」
「このカトラリーも、テーブルクロスも壁紙も、ものすっごく素敵だと思いますよね?」
「そ、そうね……」