平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
そう話す彼の横顔を、リズは不思議な思いで見つめていた。

なんだか、自然体な彼を目にしてるようで新鮮だった。そうやって肩肘張らず一人考えている時、彼は肩の力を抜いた落ち着いた表情を見せるのだ。

会話が途切れて、ジェドが明かりの灯ったベッドサイドテーブルから、紙が束ねられたものを手に取る。

――団長様、眉間に皺もないわ。

ベッドに座っているジェドが、リラックスしているのが分かった。こうして眺めていても、美しい横顔から視線は返ってこなくて。

「団長様、眠らないんですか?」

気づけばリズは、緊張が抜けた声で尋ねていた。

ジェドが、少し動きを止める。ややあってから、彼は小難しい字が並んだ書類から、枕に横顔を押し当てているリズへと目を向けた。

「なんだ、今日は騒がないのか? 昨日、あれやこれやと騒いでいただろう」

昨日、初日の就寝で、寝る位置だとか色々と言った気もする。

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