平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
「ゃ、だ、なんでまた上に戻っていくんですか?」

水を舐め取られているだけなのに、ちゅっちゅっとキスされているみたいに感じてしまって、リズはふるりと震えた。

「んっ……」

その拍子に、口からこぼれた自分の声に羞恥が込み上げた。なんだか、よく分からないくらい恥ずかしくなってくる。

「まだ残っているからだよ、リズ」

「あ、あとは、タオルで拭いますから、あっ」

「いい子だから、聞き分けて。タオルで拭われるなんて、もったいない」

取られている手で指の間をこすられて、ちゅっと唇を押し当てられまた変な声が出てしまった。

何が『もったいない』のか分からない。片腕でがっしり抱き寄せられているリズは、ひとまずどうにか脱出してみようと試みた。

と、ばたついた途端、耳の後ろにちゅっとキスをされた。

「ひぇっ。な、ななななんでそこにキスしたんですかっ」

「先に風呂に入ったのか。いい匂いがする」

「えっ、なんで匂いを嗅いでいるの!? あ、待って、なんで髪を、んんっ」

「――想像通り、お前はイイ声で啼く」

髪をよけたジェドが、リズの首の後ろにキスを落とす。

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