平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
ふと察して尋ねてみれば、ジェドが回答を避けるように黙り込んだ。

どうやら、その通りだったようだ。それでも彼は、リズのために〝動かない〟を選んでくれている。

そう分かったら、リズは途端に、目の前の人が怖くなくなった。

「俺は、暴れたりしない。リズを怖がらせない」

「はい」

「絶対に、ひどいことはしないと誓う」

「はい。分かっています」

自分に言い聞かせるかのようなジェドに、リズは落ち着いて答えた。自分には何ができるだろうと、そんなことを考えていた。

「だから、こうしていてくれ」

――それが、彼の今望んでいる、自分にできることならば。

リズは、そう思ってゆっくりと目を閉じた。視界が真っ暗になると、自分を包み込んでいるジェドの体温をより感じた。そして、彼の苦しそうな様子も。

「眠りましょう、団長様。朝まで、ずっと一緒にいますから」

どこか心細そうにも感じたジェドの背に、そっと手を添えてそう告げた。

しばらくずっと、抱き締められたままでいた。約束してくれた通り、ジェドはそれ以上のことはせずにじっとしていた。

やがて、彼の呼吸音が、少しだけ落ち着く。

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