平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
「ブラッシングで癖がついちゃったのかしら。それとも、撫でられ癖があったりするのかしらね」
リズが両手を伸ばして撫でると、カルロが少し目を閉じた。まるで小さなその手の温もりを感じ入るかのように。
優雅な白い毛並みは、大きな耳の方までもふもふだった。毎日のブラッシングもあって、手にふんわりと馴染んできてとてもふわふわだ。
――と、カルロが目を開ける。
「ふんっ」
いかにも仕方がないという顰め面で、鼻を鳴らして頭を持ち上げた。相変わらず、小馬鹿にしているのかなんなのか分からない。
けれどリズが真意を確かめる間もなく、カルロは歩き出してしまう。
「あっ、待ってカルロ。その荷物、ちゃんと私が持つから――ふぎゃっ」
直後、リズは芝生の方に踏み込んだ途端、びたーんっ、と転んでいた。
まだカルロがちょっかいを出してもいないのに、一人で勝手に転倒した。向こうで気づいた獣騎士達が、「うわー……」と呟いたりしている。
「うぅ、なんでこのタイミングで、何もないところで躓くの私……」
不運な体質なのだ。いつもタイミングが悪いというか、反射神経も並み以下な一般人である。
しかし、非戦闘員ながら、彼女も立派な獣騎士団の団員の一人である。
怪我がないのをひとまず確認したカルロが、小さく息をもらして、リズを待って〝お座り〟した。その長い毛並みの尻尾が、彼女の少し乱れたスカートを隠すように置かれた。
――本日も、獣騎士団はいつも通りだった。
リズが両手を伸ばして撫でると、カルロが少し目を閉じた。まるで小さなその手の温もりを感じ入るかのように。
優雅な白い毛並みは、大きな耳の方までもふもふだった。毎日のブラッシングもあって、手にふんわりと馴染んできてとてもふわふわだ。
――と、カルロが目を開ける。
「ふんっ」
いかにも仕方がないという顰め面で、鼻を鳴らして頭を持ち上げた。相変わらず、小馬鹿にしているのかなんなのか分からない。
けれどリズが真意を確かめる間もなく、カルロは歩き出してしまう。
「あっ、待ってカルロ。その荷物、ちゃんと私が持つから――ふぎゃっ」
直後、リズは芝生の方に踏み込んだ途端、びたーんっ、と転んでいた。
まだカルロがちょっかいを出してもいないのに、一人で勝手に転倒した。向こうで気づいた獣騎士達が、「うわー……」と呟いたりしている。
「うぅ、なんでこのタイミングで、何もないところで躓くの私……」
不運な体質なのだ。いつもタイミングが悪いというか、反射神経も並み以下な一般人である。
しかし、非戦闘員ながら、彼女も立派な獣騎士団の団員の一人である。
怪我がないのをひとまず確認したカルロが、小さく息をもらして、リズを待って〝お座り〟した。その長い毛並みの尻尾が、彼女の少し乱れたスカートを隠すように置かれた。
――本日も、獣騎士団はいつも通りだった。