平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
コーマックたちと違って、全く気づいていないリズを横目に確認する。そして、ひとまずジェドの恋事情を知る者だけ伝わるようこう言った。

「私は陛下へ、『恋人の一人でもご同行されたら安心ですよね』という感じのお言葉を、短い言葉にまとめて秘密裏のメッセージとして送りました」

自分が気を利かせた一件について、エドモンドが真面目に報告する。

それを聞いた途端、獣騎士たちがどよめいた。ある者は一歩後退してよろめき、ある者は忙しなくコーマックへ視線を往復させる。

「なんつー余計なことを……っ」

「あんた、自分の文章力の破壊力を分かってねぇよ……!」

「何がですか? 君たち、どうかしたんですか」

「俺らの反応を、まるで奇妙な生き物みたく見るのやめて。壊滅的じゃなくって、あのおバカな殿下並みにトラブルしか起こさないんだよっ」

黙っていられなくなった部下たちを前に、コーマックも青い顔で、震える手を半ば伸ばしてエドモンドに確認する。

「それ、絶対、ストレートに受け取られたらまずいことを書いたんですよね? それで陛下は、団長に恋人がいると誤解したのではないですか?」

コーマックは、ジェドに送られてきた手紙の内容を察して、もう今にも倒れてしまいそうな顔をしていた。

するとジェドが、間髪入れず苦々しげな表情で「ああ」と呻き声を上げる。

「そうだ。陛下は、グレインベルトの領主であるこの俺に、恋人ができたと誤解して、それもあって登城を促してきている」

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